語学の出発点

留学のクーリングオフは渡航後でも出せる

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2026/9/10公開

渡航後に授業が始まっていても、対象となる語学契約ならクーリング・オフを出せる場合があります。最初に契約先と期間・総額を確認し、次に契約書面を受け取った日から8日以内かを数えてください。渡航日や授業開始日だけでは判断できません。

対象は、語学の教授について二月・五万円をともに超えるなど、特定継続的役務(途中でやめる権利が付く役務)の条件を満たす契約です。日本のエージェントが現地校を紹介するだけの契約へ、同じ権利をそのまま当てはめません。

海外から通知する前の確認順

  1. 誰が授業を提供する契約か、契約期間と支払総額を確認する
  2. 契約書面(契約したときに渡される書面)の受領日から8日以内かを数える
  3. 対象なら書面かメールなどで解除を通知し、送信日時が分かる控えを残す

まだ授業を受けている、海外からの郵便に時間がかかる、違約金の記載がある。それぞれを特定商取引法48条のどこで扱うか、図にまとめます。

渡航後に出てくる心配条文がどう置いているか

  1. もう授業を受けてしまった

    6項が対価の請求をできないとしている

    既に役務が提供されたときでも、対価その他の金銭の支払を請求することができない

  2. 海外にいるので書面が届くまで日数がかかる

    3項が発した時に効力を生じるとしている

    到達を待たない。8日の最終日に送っても、その日に効力が生じている

  3. 契約書に違約金の定めがある

    4項が損害賠償や違約金を請求できないとしている

    8項が、これらに反する特約で不利なものを無効としている

渡航してから解除するときに出てくる心配と、条文の置き場所(特定商取引法48条)

出せるのは書面だけではない

クーリング・オフは、紙の書面だけでなく、メールなどの電磁的記録でも出せます。海外にいて日本へ郵便を出しにくい状況でも、この点は詰まりません。

方法は特定商取引法48条1項の末尾にあります。特定継続的役務提供(期間と金額の線を超えた契約に、法律が解約の権利を付ける仕組み)の章の条文です。

書面又は電磁的記録によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。

数えるのは42条2項または3項の書面を受け取った日からで、8日を経過するまでです。この契約書面(契約したときに渡される、解除の起算になる書面)がメールで届いた場合、いつ受け取ったことになるのかは契約書面をメールで受け取ると8日はいつからにまとめました。

送った時点で効いている

クーリング・オフは、相手に届いた時ではなく、通知を送った時に効力が生じます。8日の最終日に送れば、到着が何日後になっても効力はその日に生じています。

海外から出すときに気になる届くまでの日数は、特定商取引法48条3項が扱っています。

それぞれ当該解除を行う旨の書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる。

だから残しておくのは、届いたことの記録ではなく送ったことの記録になります。送信した日時が残る形で出して、その控えを保存します。

すでに受けた授業の分も請求されない

8日以内に解除すれば、すでに受けた授業の分も請求されません。留学では渡航してすぐ授業が始まるので、8日のあいだに何コマか受けていることがあります。その分を日割りで引かれるのではないか、という心配はここで外れます。

根拠は48条6項です。

48条6項を開く

役務提供事業者又は販売業者は、第一項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合には、既に当該特定継続的役務提供等契約に基づき特定継続的役務提供が行われたときにおいても、特定継続的役務提供受領者等に対し、当該特定継続的役務提供等契約に係る特定継続的役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない。

「既に…特定継続的役務提供が行われたときにおいても」の部分がそれです。

中途解約のほうは扱いが違います。8日を過ぎてからやめる場合は、提供された分の対価が計算に入ります。そこは語学スクールの中途解約と返金の上限にまとめました。8日以内かどうかで、返る額の決まり方が変わります。

払った金は速やかに返る

8日以内に解除すれば、払った金は速やかに返されます。授業料に限らず、入学金や手続きの費用として払ったものも、その事業者が受け取っているなら入ります。違約金も請求されません。

返還は48条7項が決めています。

48条7項を開く

役務提供事業者は、第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除があつた場合において、当該特定継続的役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、速やかに、これを返還しなければならない。

「関連して金銭を受領しているとき」とあるので、授業料だけに限られません。

損害賠償や違約金を請求できないとしているのは48条4項です。

役務提供事業者若しくは販売業者又は関連商品の販売を行つた者は、当該解除に伴う損害賠償若しくは違約金の支払を請求することができない。

契約書に違約金の額が書かれていても、48条8項が効きます。

前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは、無効とする。

8日を過ぎていても、止まっている場合がある

48条1項には長い括弧書きがあります。事業者が解除に関する事項について事実と違うことを告げたり、威迫して困らせたりして、それによって8日を過ぎてしまった場合の話です。

そのときは、事業者が改めて「解除できる」と書いた書面を交付し、それを受け取った日から8日を数え直すという組み立てになっています。つまり妨害があった場合、8日は勝手には過ぎません。

告げられた内容が事実と違うときに取り消せる道は、期間の数え方が別です。不実告知があった契約は8日を過ぎても取り消せるに分けて書きました。

この仕組みが動かない契約もある

48条は特定継続的役務提供の章にあります。契約が期間と金額の線を超えていなければ、この章ごと当たりません。語学の教授は二月を超え、五万円を超えることが条件です。

線の数え方は英会話の解約は2か月と5万円で決まるにあります。日本の事業者があっせんだけをしている場合は、そもそも役務を提供しているのが現地の学校になるので、留学エージェントは誰と契約するかで分けた見方が先に要ります。

ウェブで申し込む場合は、画面の表示にも条文がかかる(12条の6)

エージェントのサイトで申し込むなら、申込みの最後の画面を見ます。料金・支払いの時期・解除に関する事項などが、そこに出ている必要があります。その表示が無かったり事実と違ったりして誤認したときは、申込みを取り消せます。

画面の表示を決めているのは特定商取引法12条の6第1項です。

特定商取引法12条の6第1項を開く

販売業者又は役務提供事業者は、当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が定める様式の書面により顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又は当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により顧客の使用に係る電子計算機の映像面に表示する手続に従つて顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み(以下「特定申込み」と総称する。)を受ける場合には、当該特定申込みに係る書面又は手続が表示される映像面に、次に掲げる事項を表示しなければならない。

読むのは末尾です。決められた事項には、役務の分量や、料金・支払いの時期・解除に関する事項が入ります。最後の確認画面に総額と解約の条件が出ているかを見る根拠になります。

表示がなかった場合や、事実と違う表示をされた場合の取消しは15条の4です。

15条の4を開く

特定申込みをした者は、販売業者又は役務提供事業者が当該特定申込みを受けるに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該特定申込みの意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

この取消しはクーリング・オフとは別の道で、8日の枠とも関係なく使えます。どちらを使うかは、何が起きたかで変わります。

渡航後に出すときの順番

  1. 契約したときに渡された書面を出し、受け取った日を確かめる
  2. その日から8日以内かを数える
  3. 書面か電磁的記録で、解除する旨を出す。送信の日時が残る形にする
  4. 送った控えを保存する。届いたかどうかは効力に関係しない
  5. 受け取ったものがあれば返す。返還や引取りの費用は事業者の負担になる

書面がまだ渡されていない場合、8日は始まっていません。何が書かれているはずかは概要書面は申し込む前に渡されるにまとめました。

契約でもめたときの相談先は、消費者ホットライン 188 です。国境をまたぐ取引については、越境消費者センター(CCJ)の窓口もあります。

この記事で確かめたこと

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