概要書面は申し込む前に渡される
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申し込む前に渡される概要書面で条件を読み、契約後の契約書面も受け取ります。語学スクールで8日を数え始める起点は、後の契約書面です。
対象は語学の教授が二月・五万円をともに超えるなど、特定継続的役務(途中でやめる権利が付く役務)の条件を満たす契約です。留学のあっせん契約へ同じ義務をそのまま当てはめません。特定商取引法42条1項・2項で、渡される順番が違います。
概要書面
- 契約を締結するまでに渡される(42条1項)
- 契約の概要を記載したもの
- 読んでから申し込むかどうかを決めるための書面
契約書面
- 契約を締結したときに遅滞なく渡される(42条2項)
- 契約の内容を明らかにする書面
- ここから8日を数え始める
渡される時点が違うので、読んで何ができるかが違う
受け取った書面の4か所を照合する
書面を受け取ったら、次の順で読みます。
- 金額の欄に、払う金が全部入っているか。「別途」と書かれたものが本文のどこかで金額になっているか
- 買う必要のある商品の名前があるか。テキスト代・教材費が名前ではなく「教材一式」で済まされていないか
- やめ方の欄があるか。クーリング・オフと中途解約の両方について書かれているか
- 期間と総額が、線を超えているか。英会話の解約は2か月と5万円で決まるの2か月と5万円
4つ目で線を超えていないと分かったら、特定継続的役務としての書面交付や解除の規定は対象外です。別の法律や契約上の解約条件は分けて確認します。書面が渡された場合も、会社の説明だけで判断せず、実際の契約期間と総額を照合してください。
契約する前と、契約したあとで、別の書面が出る
期間と金額の線を超えた契約(特定継続的役務提供)では、申し込む前に概要書面、契約したときに契約書面の2通が渡されます。8日を数え始める起点になるのは、あとの契約書面です。
概要書面の根拠は特定商取引法42条1項です。
特定商取引法42条1項を開く
役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務の提供を受けようとする者又は特定継続的役務の提供を受ける権利を購入しようとする者と特定継続的役務提供契約又は特定権利販売契約(以下この章及び第五十八条の二十二において「特定継続的役務提供等契約」という。)を締結しようとするときは、当該特定継続的役務提供等契約を締結するまでに、主務省令で定めるところにより、当該特定継続的役務提供等契約の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。
「契約を締結するまでに」なので、申し込む前に渡されるはずのものです。同条2項が契約書面です。
全文を開く(113字)
役務提供事業者は、特定継続的役務提供契約を締結したときは、遅滞なく、主務省令で定めるところにより、次の事項について当該特定継続的役務提供契約の内容を明らかにする書面を当該特定継続的役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
順番が逆になっていたら、42条1項に反しています。その場で契約書だけを出されて「あとで概要をお送りします」と言われた場合がこれです。
契約書面に何が書かれているはずか
買う必要のある商品の名前、払う金の総額と払い方、やめ方が書かれているはずです。42条2項は書くべき事項を号で並べていて、1号がこれです。
役務の内容であつて主務省令で定める事項及び当該役務の提供に際し当該役務の提供を受ける者が購入する必要のある商品がある場合にはその商品名
教材を別に買わされる形は、ここで名前が出ていなければ書面として足りていません。
2号が金額、3号がその支払の時期と方法です。
役務の対価その他の役務の提供を受ける者が支払わなければならない金銭の額
「役務の対価その他の…支払わなければならない金銭の額」なので、授業料だけでなく、入学金も教材費も含めた額が書かれることになります。さらに4号がクーリング・オフに関する事項、5号が中途解約に関する事項です。
書面の見た目まで、省令が決めている
契約書面では、読むべき旨が赤枠の中に赤字で入っていることと、8ポイント以上の文字であることも要件です。これが無い書面は、法律が求めた書面として足りていない疑いがあります。
42条の「主務省令で定めるところにより」を受けて、書く事項と書き方は特定商取引に関する法律施行規則に落ちています。概要書面は92条、契約書面は94条で、94条には次の一文があります。
契約書面には書面の内容を十分に読むべき旨を赤枠の中に赤字で記載しなければならない。
文字の大きさも同じ94条で、日本産業規格Z8305の8ポイント以上と決まっています。
5万円より多く前払いするなら、保全措置の欄がある
前払いが5万円を超えるなら、概要書面には前受金を保全しているかどうかの欄があるはずです。保全していない場合も、していないと書く決まりです。
施行規則92条が、概要書面に書くこととして挙げている項目です。
施行規則92条を開く
特定継続的役務提供に係る前払取引(特定継続的役務提供に先立つてその相手方から五万円を超える金銭を受領する特定継続的役務提供に係る取引をいう。以下同じ。)を行うときは、当該前払取引に係る前受金について保全措置を講じているか否か及び、保全措置を講じている場合には、その内容
留学や長期のコースでは、受講が始まる前に何十万円かを先に払うことがあります。欄が無い、または空欄のまま渡された書面は、この規定を満たしていません。
講じているかどうかは、事業者ごとに違います。このサイトが載せているISS留学ライフは、会社概要に加盟団体として日本旅行業協会(JATA)正会員に加えてボンド保証会員と事故対策会員を挙げています。留学サービス審査機構(J-CROSS)の会員区分の1つで、前払いした費用の保全に関わる制度です。ウィッシュインターナショナルの会社概要には、JATA正会員と海外留学協議会(JAOS)正会員は出ていますが、ボンド保証会員の記載は見当たりません。概要書面の保全措置の欄を読むときは、この加盟団体の表記も一緒に確かめることになります。
前払いをするなら、事業者の財産の状況まで見せてもらえる
前払いが5万円を超えるなら、事業者の業務と財産の状況を書いた書類を、見せてもらうか写しをもらうことができます。事業者の側には、その書類を事務所に置いておく義務があります(特定商取引法45条1項。5万円の線は施行令27条)。
読者の側の権利は特定商取引法45条2項です。
特定継続的役務提供に係る前払取引の相手方は、前項に規定する書類の閲覧を求め、又は同項の役務提供事業者若しくは販売業者の定める費用を支払つてその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。
求められるのは「前払取引の相手方」です。契約する前の段階でこれを求められるかは、条文の文言だけからは読み切れません。求めてみて断られた場合、その事業者はまだ相手方ではないと考えている、ということになります。
渡航して授業が始まるまでのあいだ、払った金は事業者の手元にあります。この条文は、事業者が続いているかを確かめる道を1本だけ用意しています。事務所に置く義務なので、遠方の事業者には、謄本または抄本の交付を費用を払って求めることになります。断られた場合、その事実自体が45条に反している状態です。
説明を受けた内容と、書面の内容が違うとき
口頭の説明と書面が食い違っている場合、契約の解除に関する事項について事実と違うことを告げる行為を禁じた44条1項が効いてきます。違反があった場合、48条1項と49条1項は8日の起算を止める形で書かれています。つまり説明が違っていたことで期間を過ぎたときは、期間が過ぎていない扱いになります。このときの起点は、事業者が改めて解除できる旨を書いた書面を渡した日です。
紙ではなくメールでPDFが送られてくる場合は、先に承諾が要ります。承諾の取り方と、いつ受け取ったことになるのかは契約書面をメールで受け取ると8日はいつからに分けて書きました。
書面が無いまま日が過ぎているとき
書面が渡されていないと、8日を数え始める起点がありません。だから申し込みから何か月たっていても、クーリング・オフの期間の中にいることになります。
「もう8日過ぎましたね」と言われたときに確かめるのは、日付ではなく書面のほうです。契約書面を受け取っているなら語学スクールの中途解約と返金の上限の計算に進みます。
もらった書面の中身に不安があるときの相談先は、消費者ホットライン 188 です。最寄りの消費生活センターにつながります。書面を手元に置いてから電話すると話が早くなります。
契約の形は、資料を取り寄せる段階で聞ける
書面が来るかどうかは、見積もりが出てから決まります。申し込む前に確かめておくほうが早いところです。
このサイトが載せているウィッシュインターナショナルは、会社概要に「観光庁長官登録旅行業 第1361号」を出しています。主な事業内容の先頭は「留学を主目的とした旅行商品の企画及び販売」で、旅行業の側に立っている事業者です。
料金は行き先とプランごとの見積もりなので、期間と金額の線を超えるかどうかも、その時点では決まりません。資料請求か無料留学相談のときに聞くのは、次の3つになります。
- 契約の相手は誰か。日本の事業者か、現地の学校か
- 授業料はどちらに払うのか。あっせんの手数料と分かれているか
- 概要書面と契約書面が渡されるか。渡されないならその理由
3つ目を聞いておくと、あとから「そういう契約ではなかった」と言われる余地が減ります。契約の相手がエージェントなのかスクールなのかで、そもそも書面の義務がかかるかどうかが変わります。登録の見分け方は留学エージェントは誰と契約するかにまとめました。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
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