語学の出発点

短期留学は2か月を超えるかで変わる

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2026/10/19更新 2026/9/9公開

2週間や1か月の語学研修は、特定継続的役務(途中でやめる権利が付く役務)としての解約制度の対象にならないことがあります。まず語学を教える契約の期間が二月を超え、支払総額も五万円を超えるかを見ます。短くても解約・取消しの道がすべてなくなるわけではありません。

特定商取引法41条1項1号と施行令24条の期間の線を、先に図で確認できます。

契約の期間二月

二月を超えない

特定継続的役務にならない。概要書面も契約書面も、クーリング・オフも中途解約の上限額も、この制度からは付かない

二月を超える

五万円も超えていれば特定継続的役務になり、概要書面と契約書面の交付、クーリング・オフ、中途解約の上限額が付く

語学の教授で契約の扱いが分かれる期間(特商法41条1項1号・施行令24条1項)

申込前に確かめる3点

  1. 開始日・終了日を見て、二月を超える契約かを確かめる
  2. 入学金・教材費を含めた総額が五万円を超えるかを確かめる
  3. 契約書の解約条項で、返金額と申出期限を確かめる

海外の学校に直接申し込む場合は、期間より先に契約先と適用法も確認します。二月の具体的な数え方と、短期コースで確認する条項を以下で説明します。

分かれ目は「二月を超える」

語学の教授の契約が特定継続的役務(途中でやめる権利が付く役務)になるのは、期間が二月を超え、金額も五万円を超えたときだけです。

期間と金額の線を置いているのは特定商取引法41条1項1号で、その数そのものは政令に委ねられています。特定商取引に関する法律施行令24条1項がこれを受けています。

法第四十一条第一項第一号の政令で定める期間は、別表第四の第一欄に掲げる特定継続的役務ごとに同表の第二欄に掲げる期間とする。

語学の教授は三の項にあり、第二欄は「二月」です。線そのものは英会話の解約が決まる2か月と5万円の線にまとめました。

ちょうど二月は超えていません。「2か月コース」と書かれている商品は、この線の外側に置かれていることになります。

「二月」の数え方は民法にある

では2か月をどう数えるのか。特定商取引法には書かれていないので、民法の期間の規定に戻ります。

まず140条です。

日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

初日を入れません。ただし書きがあり、午前零時から始まるときだけ初日を入れます。

143条1項が、月で定めた期間の数え方です。

週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。

暦に従うので、30日や31日に置き換えて数えません。2項が満了の日です。

全文を開く(116字)

週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

4月10日の午前零時から始まる場合は初日を入れ、2か月は6月9日に満了します。初日を入れない場合は4月11日が起算日となり、6月10日に満了します。開始日だけでなく、契約の開始時刻や期間の定めも確認します。

ただし書きも読みどころです。12月31日を起算日として数える2か月は、2月に31日が無いので月の末日に満了します。申込書の開始日と終了日を、この数え方で当ててから比べます。

通信販売の8日も、役務には付かない

短期のコースをウェブで申し込んでも、通信販売の8日の返品制度は使えません。対象が商品と特定権利だけで、レッスンそのものの提供(役務)が入っていないからです。

線の外に出たとき、この返品制度が代わりに使えるのではないかと考えることがあります。特定商取引法15条の3です。

特定商取引法15条の3を開く

通信販売をする場合の商品又は特定権利の販売条件について広告をした販売業者が当該商品若しくは当該特定権利の売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は売買契約を締結した場合におけるその購入者(次項において単に「購入者」という。)は、その売買契約に係る商品の引渡し又は特定権利の移転を受けた日から起算して八日を経過するまでの間は、その売買契約の申込みの撤回又はその売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。

対象は「商品又は特定権利」だけです。特定継続的役務からも外れ、通信販売の返品制度からも外れます。ただし、解約や取消しの根拠が契約書だけになるわけではありません。債務不履行や勧誘の問題があれば、民法・消費者契約法なども確認します。

残るのは広告の側の規定

外れるのは解除の規定で、広告の規定は残ります。留学の費用は誰に払うかで分けるで扱った11条の表示義務と、12条の誇大広告の禁止は、期間の長さに関係なく通信販売の広告に当たります。

12条は「申込みの撤回又は解除に関する事項」を名指ししています。やめられないコースなのに、やめられるかのように書いてあれば、そこは12条の側で問題になります。短期だからといって、書いてあることを守らなくてよいわけではありません。

つまり短期のコースでは、読む場所が広告から契約書に移ります。契約の解約条件を確認したうえで、勧誘の経緯や契約内容に問題があれば消費生活センターへ相談します。

スパルタ英会話の費用は、公式料金ページの受講料に、別途入会金55,000円(税込)を足して比べます。1か月受講の金額は表にないため、希望コースの見積もりを確認してください(料金のみ2026年10月19日確認)。

同じ会社が、短い留学と国内の英会話を両方出していることがある

海外の短い分と、国内で続ける分は、別々に線を当ててください。同じ会社でも、片方は線の外、もう片方は線の内側に入ることがあります。

MeRISEの留学サービスの公式ページは、受講できる期間を次のように案内しています(2026年10月19日確認)。

ご留学は最短5日間から。皆様のレベル・ご希望にあわせた様々なコースをご用意しております。

5日の留学なら、二月には遠く届きません。この線の外です。国内のMeRISE英会話を別に契約する場合も、その契約の期間・総額・役務の内容を確かめます。留学と国内レッスンの解約条件を同じものとして扱わないでください。

海外のプログラムは契約先と適用法も見る

短期の語学研修は、国内のスクールだけでなく海外の直営校にもあります。Cebu Way English はフィリピン・セブ島で中高生向けの短期留学を運営していて、日本人スタッフが常駐する直営校とホームステイの形を取っています。スパルタ英会話と同じく、契約の相手は現地のあっせん業者ではなく学校そのものです。

短期のプログラムでは、1週間から4週間ほどのコースが多く、二月を超えないことがあります。ただし海外のプログラムでは、期間・金額の前に契約先と適用法を確認します。日本の特定商取引法が適用される契約かどうかは、語学留学と特定商取引法で分けています。

各社の案内先では、申し込むコースの契約先・期間・総額・解約条項をそれぞれ確認してください。

短期の契約で条件が分からないとき

冒頭の3点は、広告だけで判断せず申込書と契約書で照らします。総額の数え方は語学留学に特定商取引法は当たるかでも扱っています。

1と2の両方を超えていれば、申し込む前に概要書面が渡されます。何が書かれているはずかは概要書面は申し込む前に渡されるにあります。

超えていなければ、まず3を確認します。記載がなくても返金されないと決めつけず、契約先へ条件を書面で示してもらい、納得できない点は188へ相談してください。

同じスクールの中に、線の内側のコースと外側のコースが並んでいることがあります。スパルタ英会話は料金ページで最短1か月からのプランを案内していて、契約の期間で受講料が決まる形を取っています。特定商取引法に関する表記のページのほうは、開講日以後の解約手数料を五万円又は未受講分の学費の20%のいずれか低い額としています。同じスクールでも、どのコースを申し込むかで、その記載が当たるかどうかが変わります。

渡航後にやめることになったときの上限額は語学スクールの中途解約と返金の上限にまとめました。

週で期間を決める形の留学では、この二月の線ともう1本、外国に三月以上滞在したときの届出の線が並びます。どの長さがどちらをまたぐかはフィリピン留学は2か月と3か月で扱いが変わるで日数に直しました。

契約でもめたときの相談先は、消費者ホットライン 188 です。

この記事で確かめたこと

原文から引用した文
6件
出典
4件(法令 3)
更新

引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。

紹介したスクール・窓口の契約条件

スクール・窓口運営会社契約の形解約の権利が付く線
スパルタ英会話株式会社スパルタ英会話日本の事業者がレッスンを提供コースによって分かれる
記載なし(理由は下)
Cebu Way English株式会社Crepity日本の事業者がレッスンを提供コースによって分かれる
記載なし(理由は下)
MeRISE英会話MeRISE株式会社日本の事業者がレッスンを提供コースによって分かれる
記載なし(理由は下)
スパルタ英会話
東京・新宿の英会話スクール。料金ページが「最短1ヶ月から始める」として受講期間でプランが決まる形を取っているので、同じスクールの中に二月を超えるコースと超えないコースが並ぶ。特定商取引法に関する表記のページは、自社の英会話講座の契約を特定継続的役務提供にあたるものとして書き、開講日の前日までの解約手数料を1万5000円、開講日以後を「5万円又は未受講分の学費(支払済み学費÷授業回数×未受講回数)の20%に相当する額のいずれか低い額」としている(2026-09-09 確認)。電話番号は会社概要・お問い合わせ・教室案内・特定商取引法に関する表記のいずれにも見当たらない。会社概要にあるのは会社名・住所・代表取締役・資本金・設立 公式料金ページの画像表は2か月412,000円・3か月579,000円・4か月723,000円。別途入会金55,000円で、合計は順に467,000円・634,000円・778,000円(すべて税込、2026-10-19確認)。1か月受講の金額は同表にないため、希望コースの見積もりで確認してください。
Cebu Way English
特定商取引法に基づく表記に、販売業者「株式会社Crepity」、代表責任者「生雲勝之」、所在地(東京都渋谷区道玄坂1丁目10番8号渋谷道玄坂東急ビル2F−C)、電話番号、公開メールアドレス、ホームページURLが出ています。U-GAKU と同じ販売業者です(所在地・代表責任者とも一致)。同じ表記のページは、消費税・振込手数料・海外送金手数料・パスポート/ビザ申請料・航空券・海外旅行保険・現地滞在時に発生する費用が商品に含まれないとしています。支払方法は留学が銀行振込、オンライン英会話がクレジットカード。中高生向けのセブ島留学で、日本人スタッフが常駐する直営校とホームステイの形(2026年9月18日に UA 付き curl で確認) 特定商取引法に基づく表記は販売価格を「各商品・料金プランページをご参照ください。」としていて、この表記のページには金額が出ていません。
MeRISE英会話
国内の英会話スクールで、現行の校舎一覧は新宿西口校とオンライン校を案内しています。特定商取引法に基づく表記は、入学金33,000円(税込)と推奨教材を使う場合の教材費を別途としています。一括プランは契約書面交付から8日以内(土日祝を含む)のクーリングオフを案内し、その他の中途解約は概要書面・契約書面の確認を求めています。月額プランは毎月自動決済で、退会は更新日の1か月前までに所定の手続きで申請する条件です。この国内英会話の条件を、同社のセブ島留学へ転用しません(契約条件・校舎一覧は2026-10-10確認)。 特定商取引法に基づく表記に「入学金33,000円(税込)、当校推奨の教材を使用する場合はその教材費」とあります。受講料はプランごとにプランのページへ分かれていて、この表記のページには金額が出ていません。

この紹介表の価格欄には、各社の公式サイトで税込価格が明示された金額を掲載します。税の扱いを確認できないものは、価格欄へ入れず理由を添えています。 「解約の権利が付く線」は、特定商取引法41条1項1号が施行令24条に委ねている 期間と金額の条件を示す目安です。語学の教授では2か月超・5万円超に加え、役務の内容や適用除外も確認が必要です。 期間と金額だけで解約の権利を判定せず、国内レッスンの条件を海外の授業・手配へ一律に当てはめません。消費者庁の対象と適用除外を参照してください。 公式の表示だけで確認できなかったものは「判断できず」と出しています。記載が見つからないことは、制度の対象外であることを意味しません。

出典