語学の出発点

オンライン英会話に8日の返品は効かない

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2026/10/19更新 2026/9/12公開

オンライン英会話のレッスンには、通信販売の「8日以内の返品」をそのまま使えません。まず教材の購入とレッスン契約を分け、レッスンは約束した期間・総額と利用規約の解約期限を確かめます。

特定商取引法2条2項は通信販売に役務を含めますが、15条の3の返品対象は商品と特定権利です。この違いを先に図で確認してください。

教材やテキストを買う

  • 商品の売買契約になる
  • 引渡しを受けた日から8日
  • 広告に返品の特約があれば、そちらが優先する

オンラインのレッスンを受ける

  • 役務提供契約になる
  • 15条の3の主語に入っていない
  • 8日で解除できるという規定が、この条には無い

15条の3が主語にしているのが「商品又は特定権利」だけで、役務の提供が入っていない

同じ通信販売でも、8日で返せる規定が当たるかが分かれる(特定商取引法2条2項・15条の3第1項)

申し込む前の確認順

  1. レッスンの契約期間と、入会金などを含めた支払総額を確認する
  2. 二月・五万円の両方は超えないなら、規約の解約期限と日割りの有無を見る
  3. 教材を別に買うなら、その広告に返品の特約があるかを見る

期間と総額の線を超える契約は、通信販売でも特定継続的役務(途中でやめる権利が付く役務)の規定を別に確認します。契約先がレッスンを提供する会社か、留学のあっせん会社かも見分けます。

通信販売の中に、役務も入っている

ネットで申し込むオンライン英会話も、特定商取引法の通信販売に当たります。通信販売の定義には、商品だけでなく役務の提供も入っているからです。

定義は特定商取引法2条2項です。

特定商取引法2条2項を開く

この章及び第五十八条の十九において「通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の主務省令で定める方法(以下「郵便等」という。)により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う商品若しくは特定権利の販売又は役務の提供であつて電話勧誘販売に該当しないものをいう。

末尾に「商品若しくは特定権利の販売又は役務の提供」と並んでいます。

だから広告の表示義務(11条)も、誇大広告の禁止(12条)も掛かります。ここまでは商品と同じです。

返せる規定のほうは、商品と特定権利だけ

ただし、8日のあいだ返せる規定が当たるのは商品と特定権利だけで、オンラインのレッスン(役務)は入っていません。

通信販売で返せることを決めているのは15条の3で、条文の主語がこうなっています。

15条の3を開く

通信販売をする場合の商品又は特定権利の販売条件について広告をした販売業者が当該商品若しくは当該特定権利の売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は売買契約を締結した場合におけるその購入者(次項において単に「購入者」という。)は、その売買契約に係る商品の引渡し又は特定権利の移転を受けた日から起算して八日を経過するまでの間は、その売買契約の申込みの撤回又はその売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。

主語は「商品又は特定権利」までです。2条2項では並んでいた3つのうち、役務の提供が落ちています。

さらに15条の3には、ただし書きが付いています。事業者が申込みの撤回等についての特約を広告に表示していた場合は、この限りでないとされています。商品の側でも、返品の条件は事業者が広告に書いたとおりになります。

クーリング・オフは通信販売に置かれていない

もう1つ、混ざりやすいところがあります。クーリング・オフは訪問販売(9条)や電話勧誘販売(24条)に置かれた制度で、通信販売の章には同じ規定がありません。

自分から申し込んでいるので、不意打ちで契約させられる場面を想定していないためです。申込みの経路が違えば、当たる規定も変わります。店頭で申し込んだ場合の扱いは語学留学に特定商取引法は当たるかに書きました。

特定継続的役務の対象となる契約か確認する

特定継続的役務は、法律が指定した7つのサービスです。

では役務の通信販売に何も無いのかというと、そうではありません。期間と金額の線を超えていれば、特定継続的役務提供(法律が解約の権利を付ける役務の提供)の規定が別に掛かります。

金額の線は特定商取引に関する法律施行令24条2項です。

法第四十一条第一項第一号の政令で定める金額は、五万円とする。

語学の教授は期間が二月です。この2つを超えていれば、申込みの経路がネットでも、8日のクーリング・オフと中途解約が付きます。 線の引き方は英会話の解約は2か月と5万円で決まるにあります。

月ごとに払う形は、線に届かないことが多い

オンライン英会話で多いのは月額制です。毎月の更新で、翌月から止められる形になっています。この契約は、その月ぶんの役務を約束しているだけなので、期間が二月を超えません。金額も月あたり数千円なら五万円に届きません。

この条件だけなら、特定継続的役務としての解約制度は適用されません。他の法律による取消し・解除の可能性までなくなるわけではありません。そのぶん、やめ方は利用規約と解約の手続きで決まります。いつまでに申し出れば翌月から止まるのか、日割りがあるのかを、申し込む前に読むことになります。

先にまとめて払う形は、逆になりうる

同じスクールでも、年額プランや回数券をまとめて買う形があります。月額4,000円の12か月分は48,000円です。入会金などを足した契約総額が五万円を超えるかを確認します。期間も1年です。

線を超えたかどうかは、その契約で払う総額と、約束した期間で見ます。月額の数字ではありません。回数券や権利の形で売られている場合も、41条1項2号が同じ線で拾っています。

学習の管理を売るプログラムだと、期間と金額を超えていても、それが「語学の教授」に当たるかがさらに残ります。そこは英語コーチングに解約の権利は付くかに分けて書きました。

売り方ごとにどの条文を先に見ることになるかは英会話スクールの契約は形で変わるに並べました。

スパルタ英会話の費用は、公式料金ページの受講料に、別途入会金55,000円(税込)を足して比べます。1か月受講の金額は表にないため、希望コースの見積もりを確認してください(料金のみ2026年10月19日確認)。

同じスクールでも、コースによって変わる

線を引くのは会社ではなく、そのコースの期間と総額です。だから同じスクールの中でも、掛かる規定が分かれます。

スパルタ英会話は、特定商取引法に関する表記のページで、自社の英会話講座を特定継続的役務提供にあたるものとして書いています。中途解約のときに請求できる額も、開講日の前日までは1万5000円、開講日以後は「5万円又は未受講分の学費の20%に相当する額のいずれか低い額」としています。どちらも施行令の別表第四に出ている額と同じです(2026年9月9日確認)。

ただし料金ページは「最短1ヶ月から始める」としています。1か月のコースなら二月を超えないので、その契約にはこの規定が掛かりません。同じスクールでも、選んだコースで変わるということです。

冒頭の確認順で期間と総額を最初に見るのは、このためです。会社の名前だけでは決まりません。

なお、このスクールの料金ページは受講期間でプランが決まるとするだけで、金額をテキストで出していません。総額は無料体験レッスンで聞くことになります。

期間を決めないスクールは、払い方で線の内外が変わる

期間を自分で決められるスクールでは、どれだけまとめて払うかも自分で決めることになります。月ごとに払えば線に届きにくく、何か月分かをまとめて払えば線を超えることがあります。

MeRISE英会話は、オンラインと通学とコーチングを同じ会社で出しています。コーチングのページには、期間についてこうあります。

さらに3か月や6か月のみなどの受講期間のしばりを設けていないため、ご自身の目標に合わせた受講スタイルを実現できます。

分割払いか一括払いかだけで決まるわけではありません。契約で約束した期間と支払総額を確認します。申し込む前に、何か月分をいくらで払う契約なのかを確かめてください。

あっせんだと、そもそも役務提供事業者が変わる

ネットで申し込む形でも、契約の相手が事業者自身とは限りません。ネイティブキャンプ留学は、現地の語学学校を紹介する留学のあっせんです。レッスンを提供するのはあっせん先の現地の学校で、申し込んだエージェントが役務そのものを提供する契約にはなっていません。

2条2項が定義する通信販売は「販売業者又は役務提供事業者」の申込みを前提にしています。あっせんだけを受ける契約は、この記事で見てきた線引きの手前にいます。役務を提供する相手が誰かは留学エージェントは誰と契約するかで見分け方をまとめました。

月額アプリの具体例として、シャドミーの料金・体験と解約期限を整理しました。申込経路と更新を、公式FAQ・利用規約の両方で確認します。

家族の契約と、困ったときの相談先

同じ申込みに教材の売買とレッスンの契約が含まれることもあります。請求と解約の条件は、それぞれ分けて確認してください。

子供や小学生に受けさせる場合も、ここまでの線引きは変わりません。語学の教授であることも、二月と五万円で決まることも同じです。変わるのは誰の名義で申し込むかのほうで、本人が未成年なら契約そのものに民法5条が掛かります。親が申し込むなら、契約している相手は親です。年齢で分かれる扱いは高校生の留学は18歳の前後で契約が変わるにまとめました。

契約でもめたときの相談先は、消費者ホットライン 188 です。最寄りの消費生活センターにつながります。

この記事で確かめたこと

原文から引用した文
4件
出典
3件(法令 2)
更新

引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。

紹介したスクール・窓口の契約条件

スクール・窓口運営会社契約の形解約の権利が付く線
スパルタ英会話株式会社スパルタ英会話日本の事業者がレッスンを提供コースによって分かれる
記載なし(理由は下)
ネイティブキャンプ留学株式会社ネイティブキャンプあっせん(レッスンは現地の学校)サイトの表示からは判断できず
記載なし(理由は下)
MeRISE英会話MeRISE株式会社日本の事業者がレッスンを提供コースによって分かれる
記載なし(理由は下)
スパルタ英会話
東京・新宿の英会話スクール。特定商取引法に関する表記のページが、自社の英会話講座の契約を特定継続的役務提供にあたるものとして書いていて、開講日の前日までの解約手数料を1万5000円、開講日以後を「5万円又は未受講分の学費(支払済み学費÷授業回数×未受講回数)の20%に相当する額のいずれか低い額」としている。施行令 別表第四の三の項の第四欄・第三欄と同じ額(2026-09-09 確認)。同ページはクーリング・オフを特商法48条1項、関連商品を48条2項、中途解約を49条1項として条番号まで書いている。料金は公式ページの画像表で公開されています(料金のみ2026-10-19確認)。料金ページが「最短1ヶ月から始める」としているので、1か月のコースは二月を超えず、その契約は特定継続的役務にあたらない。だから tokutei は kousubetsu。 公式料金ページの画像表は2か月412,000円・3か月579,000円・4か月723,000円。別途入会金55,000円で、合計は順に467,000円・634,000円・778,000円(すべて税込、2026-10-19確認)。1か月受講の金額は同表にないため、希望コースの見積もりで確認してください。
ネイティブキャンプ留学
特定商取引法に基づく表記に、事業社名「株式会社ネイティブキャンプ」と所在地「東京都渋谷区神南1-9-2 大畠ビル」が出ています(2026-09-13 確認)。同じページに「海外留学代理店サービス利用時」の項が別に置かれていて、支払方法はクレジットカードと銀行振込、契約締結の申込日から起算して8日を経過するまでは申込みの撤回と契約の解除ができてキャンセル料の負担が無く、9日目以降は契約内容所定のキャンセル料がかかると書かれています。留学のページは「正規代理店だからこそ実現できるエージェント手数料0円」としていて、学校ごとの費用が1週間あたり87,000円から158,000円の範囲で複数校ぶん並んでいます。旅行業の登録番号は、留学のページにも特定商取引法に基づく表記にも見当たりませんでした。代表者欄は画像で表示されており、本文テキストの取得だけでは氏名を確認できません(2026-10-10確認)。電話番号は問い合わせフォームで請求すれば開示すると書かれています。アンカーテキストはアクセストレードの素材(1207194)を逐語で使っています 学校ごとの費用が「1週間 87,000円」のような形で出ていますが、税込か税別かの表示が見当たらないため price には入れていません。エージェント手数料は0円と書かれています。
MeRISE英会話
国内の英会話スクールで、現行の校舎一覧は新宿西口校とオンライン校を案内しています。特定商取引法に基づく表記は、入学金33,000円(税込)と推奨教材を使う場合の教材費を別途としています。一括プランは契約書面交付から8日以内(土日祝を含む)のクーリングオフを案内し、その他の中途解約は概要書面・契約書面の確認を求めています。月額プランは毎月自動決済で、退会は更新日の1か月前までに所定の手続きで申請する条件です。この国内英会話の条件を、同社のセブ島留学へ転用しません(契約条件・校舎一覧は2026-10-10確認)。 特定商取引法に基づく表記に「入学金33,000円(税込)、当校推奨の教材を使用する場合はその教材費」とあります。受講料はプランごとにプランのページへ分かれていて、この表記のページには金額が出ていません。

この紹介表の価格欄には、各社の公式サイトで税込価格が明示された金額を掲載します。税の扱いを確認できないものは、価格欄へ入れず理由を添えています。 「解約の権利が付く線」は、特定商取引法41条1項1号が施行令24条に委ねている 期間と金額の条件を示す目安です。語学の教授では2か月超・5万円超に加え、役務の内容や適用除外も確認が必要です。 期間と金額だけで解約の権利を判定せず、国内レッスンの条件を海外の授業・手配へ一律に当てはめません。消費者庁の対象と適用除外を参照してください。 公式の表示だけで確認できなかったものは「判断できず」と出しています。記載が見つからないことは、制度の対象外であることを意味しません。

出典

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