留学と語学を確かめる

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留学の奨学金は、法律が対象を決めている

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留学の奨学金を調べると、制度の名前と締切が並んだページが出てきます。

先に決まっているのは、金額でも締切でもありません。誰が対象になるかが、法律の側で決められています。

「学生」は括弧の中で定義されている

日本学生支援機構は独立行政法人日本学生支援機構法で作られた法人です。その3条が機構の目的を書いていて、途中に括弧書きで語の定義が入っています。

学資の貸与と支給の相手は「学生」で、その学生は大学及び高等専門学校並びに専修学校の専門課程及び専攻科の学生と定義されています。

ここに語学学校は入っていません。海外の語学学校に通うために日本を出る人は、日本の大学等に在学していない限り、この法律のいう学生ではありません。条文が対象を狭めているので、募集要項を読む前にここで分かれます。

在学したまま行くのか、いったん離れて行くのかは、費用の考え方も変えます。そこは留学の費用は誰に払うかで分かれるにまとめました。在学したまま行く形で単位がどこまで認められるかは、交換留学の単位には六十単位の上限があるに分けて書きました。

13条1項は、号ごとに書き分けている

業務の範囲は13条1項にあり、1号と2号で書き方が違います。まず1号です。

経済的理由により修学に困難がある優れた学生に対し、学資の貸与及び支給その他必要な援助を行うこと。

「貸与及び支給」と両方が並んでいます。次が2号です。

外国人留学生、我が国に留学を志願する外国人及び外国に派遣される留学生に対し、学資の支給その他必要な援助を行うこと。

2号にあるのは支給だけで、貸与という語がありません。外国に派遣される留学生はこの2号に出てきます。

  • 学資の貸与及び支給その他必要な援助一号(学生)

    どこに書かれているか13条1項1号。学生の範囲は3条の括弧書き

  • 学資の支給その他必要な援助二号(外国に派遣される留学生ほか)

    どこに書かれているか13条1項2号。貸与の語が置かれていない

どちらの号に入るかで、貸与を受けられるかが変わる

1号と2号で、書かれている援助の種類が違う(日本学生支援機構法13条1項)

貸与の規定は、1号にしか掛かっていない

書き分けが効いていることは、次の条で確かめられます。14条1項です。

前条第一項第一号に規定する学資として貸与する資金(以下「学資貸与金」という。)は、無利息の学資貸与金(以下「第一種学資貸与金」という。)及び利息付きの学資貸与金(以下「第二種学資貸与金」という。)とする。

「前条第一項第一号に規定する学資」と、号を名指ししています。 14条が置いている第一種と第二種の仕組みは、1号の学資についての規定です。

同じことが補助金の側にも出ます。23条です。

政府は、毎年度予算の範囲内において、機構に対し、第十三条第一項第一号に規定する学資の貸与に係る業務に要する費用の一部を補助することができる。

ここでも名指しされているのは1号です。条文は、貸与の話をするときに毎回1号を指しています。

第一種と第二種は、認定の順で決まる

1号の貸与に入る場合、種類は14条2項が先に決めます。

第一種学資貸与金は、優れた学生であって経済的理由により修学に困難があるもののうち、文部科学省令で定める基準及び方法に従い、特に優れた者であって経済的理由により著しく修学に困難があるものと認定された者に対して貸与するものとする。

無利息のほうには「特に優れた」「著しく修学に困難がある」と、条件が二段に重ねてあります。3項の第二種は、この認定を受けた者以外の学生が対象です。そして5項が、第一種の貸与を受けてもなお修学を維持することが困難と認定された者について、第一種に併せて第二種を貸与することができるとしています。どちらか一方だけ、という書き方にはなっていません。

どの認定を受けたか対象になる貸与

  1. 特に優れ、著しく困難と認定された第一種学資貸与金14条2項。無利息と定められている
  2. その認定を受けていない学生第二種学資貸与金14条3項。利息付きで、在学する学校の範囲が政令で決まる
  3. 第一種だけでは修学を維持できないと認定された第一種に併せて第二種14条5項。両方を受ける形が条文に置かれている
貸与の種類と、対象になる人の書かれ方(日本学生支援機構法14条2項・3項・5項)

利率と額は14条4項が政令に委ねています。条文には数字が書かれていません。金額を知りたいときは、政令と機構の募集要項を見ることになります。

支給される金があっても、契約は別に残る

奨学金が出ても、語学スクールや留学あっせん事業者との契約が変わるわけではありません。受け取る金と、払う契約は別の話です。

払うほうの契約に解約の権利が付くかどうかは、英会話の解約は2か月と5万円で決まるの線で決まります。2か月を超え、かつ5万円を超えたときだけです。

そもそも誰と契約しているのかを分けることも要ります。日本の事業者に払うのか、現地の学校に払うのかで、及ぶ法律が変わります。留学エージェントは誰と契約するかに分けて書きました。

申し込む前に確かめる順序

  1. 自分が3条のいう学生にあたるか。大学等に在学しているかどうか
  2. 在学していないなら、貸与ではなく支給の制度を探すことになる
  3. 支給の制度は、大学等を通じて申し込む形のものがある。個人で直接申し込めるとは限らない
  4. 額と利率は条文ではなく政令と募集要項にある

この順序を逆にすると、対象外の制度の要項を読むことに時間を使います。 1番目は在学の有無だけで決まるので、いちばん先に確かめられます。

滞在が三月以上になるなら、届出と保険の判断も並行して要ります。留学中の保険と住民票をどうするかにまとめました。

契約でもめたときの相談先は、消費者ホットライン 188 です。最寄りの消費生活センターにつながります。

まとめ

  • 機構法3条は「学生」を大学・高等専門学校・専修学校の専門課程及び専攻科の学生と定義している
  • 13条1項1号は「貸与及び支給」、2号は「支給」で、書かれている援助の種類が違う
  • 14条1項と23条は、貸与について毎回1号を名指ししている
  • 第一種は無利息で、条件が「特に優れた」「著しく修学に困難」と二段に重なっている
  • 額と利率は政令に委ねられていて、条文には数字が無い

出典