留学を途中でやめると学費はどうなるか
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渡航後に授業を途中でやめても、未受講分の学費が必ず戻るとは限りません。学校の返金規定で戻る額が決まり、手配会社が学校から受け取ってから返す条件もあります。学校の規定、手配会社の手数料、実際の入金時期を別々に確認してください。
学校の規定
- 途中退学・コース変更で返金があるか
- 滞在費は別の契約か
手配会社の条件
- 学校から返金がある場合の手数料
- 立て替え返金の有無
受取時期と額
- 学校からの入金後に振り込むか
- 送金費用と為替を差し引くか
学費の未受講分と、実際に手元へ戻る額は同じとは限らない
出発前の取消料は別の記事で扱います。ここでは授業開始後に自分の都合でやめる場合を比べます。
「戻さない」と書いてあっても、上限がある
契約書に「返金しません」と書いてあっても、それがそのまま通るとは限りません。解約金や違約金のうち、平均的な損害の額を超える部分は無効になるからです。
消費者契約法9条1項1号は、解約金や違約金の条項に上限を置いています。
消費者契約法9条1項1号を開く
当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの当該超える部分
ただし平均的な損害がいくらかは、争いになって初めて出てくる数字です。申し込む前に確かめられるのは、条項がどう書かれているかまでになります。特定継続的役務(途中でやめる権利が付く契約)にあたる中途解約には、特商法49条の上限額が別に定められています。条文と計算の仕方は語学スクールの中途解約と返金の上限にまとめました。ここで比較するのは留学の手配と学校側の返金条件です。手配だけの契約を「語学の教授」とみなさず、契約相手と役務の内容を分けて確認します。国内の語学の教授については2か月超・5万円超に加え、適用除外も確かめます。海外の学校との契約に日本の特商法や消費者契約法を一律に当てはめることはできません。どの法律が適用されるか、条項が有効かは個別の契約をもとに相談してください。
6社を開いて、途中でやめたときの扱いを数えた
出発前のキャンセルと同じ6社について、「渡航後・途中でやめたときの学費」を条件書と特定商取引法に基づく表記から数えました。
| 事業者 | 途中でやめたときの扱い |
|---|---|
| ウィッシュインターナショナル | 途中で学校を変更した場合、権利放棄とみなし払い戻し無しと明記 |
| ウインテック留学センター | 学校側の規定次第。返る場合のみ当社が手続き、立て替えはしない |
| ラララアメリカ | 学校側の契約書に基づく。当社は受け取った分だけを転送 |
| スクールウィズ | 返金額の20%、返金額が5万円未満なら追加5,000円。税区分は要確認 |
| ネイティブキャンプ留学 | 渡航後・途中退学の扱いを示す文言は見当たらない |
| ISS留学ライフ | 契約種類で異なる。手配旅行は開始後原則返金なし、学校等から返金がある場合は手数料等を差し引く |
ウィッシュインターナショナルの「海外語学留学条件書」第10条4項は、こうです。
第10条4項を開く
研修開始後、申込者の都合により、研修プログラム(コース、滞在など)を途中で変更される場合、全て申込者の責任において、また必ず現地にて当該機関の同意を得た上でおこなってください。発生する取消料、追加費用などは、全て申込者負担となります。また、途中で異なる学校へ変更された場合は、権利放棄とみなし払い戻しはありません。
学校変更についての条項です。すべての途中退学が同じ条件とは限らないため、変更と取消しを分けて聞きます。
ウインテック留学センターの「海外留学のお申込条件」12条(6)は、こう並べています。
12条を開く
ご出発後、お申込者のご都合により学校やコースの変更あるいは中途退学をされた場合、学校側の規定により既に支払われた留学費用の全額あるいは一部が返金されない場合があります。学校側より返金がなされる場合に限り当社は返金手続きを行い、現地学校からの入金確認をもって返金いたします。
続けて、こうも書かれています。
なお、学校および金融機関の関係上、返金まで長期に渡る場合もありますが、当社においての立て替え返金は一切行いません。
ラララアメリカの利用規約16条は、こうです。
学校の留学プログラム費用や滞在先機関の滞在費については、各学校および滞在先機関の契約書に基づき、返金の可否および返金時期が決定されます。
ウインテックは学校からの入金後に返し、立て替えないと明示しています。ラララアメリカも、学校・滞在先から受け取った返金を転送する条件です。WISHの学校変更時の権利放棄とは区別します。
スクールウィズの申込約款第7条は、受入機関の承諾がない限り渡航後の返金をしないとしています。返金がある場合も、その額の20%を同社のキャンセル手数料とし、返金額が5万円未満なら5,000円が加わります。手数料の税区分は明示を確認できず、税込総額は要確認です。振込・換金の手数料と、受入機関から返金された日の為替も確認します。
ISS留学ライフは会社概要の条件書一覧から、契約書面(契約したときに渡される書類)に合う種類を開きます。手配旅行の条件は、旅行開始後の短縮・取消しを原則返金なしとし、学校・宿泊機関から返金がある場合は手数料等を差し引く形です。募集型・受注型へそのまま移さず、それぞれの条件書を読みます。
ネイティブキャンプ留学の特商法表記では、渡航後・途中退学の具体的な精算方法は確認できませんでした。申込後の日数による取消条件だけでは判断できず、学校と契約書面の条件を聞く必要があります。
見当たらなかったことは、規定が無いことと同じではありません。渡航前のキャンセル条項と同じ扱いになるのか、それとも学校側の規定にそのまま委ねられるのかが、条件書だけでは判断できないという意味です。留学の費用は誰に払うかで分けるで見たとおり、見積書は「エージェントに払う額」「学校に払う額」を分けて出しています。途中でやめたときにどちらから何が戻るかも、この2本に分けて聞くことになります。エージェントの手数料と、学校の授業料・滞在費は、それぞれの契約に沿って精算します。未消化の授業料が必ず戻るとは限らず、学校から返金があっても全額を受け取れるとは限りません。
現地の学校と直接向き合う場面がある
エージェントとの契約とは別に、現地の学校自身の契約書にも解除の条項があります。途中でやめる可能性があるなら、申し込む前に読むものがあります。エージェントの条件書、現地校の契約書、未成年ならガーディアンの方針です。現地校の契約書を確かめる手順は語学留学は誰と契約しても解約の条件を確かめるにまとめました。
未成年の留学では、強制帰国になった場合の費用負担を明記している例もあります。U-GAKUの未成年者向けの方針には、こう書かれています。
強制帰国に伴う交通費等の諸経費はすべて保護者負担とし、残り期間の参加費用の返金は行わないものとします。
こちらは高校生の留学は誰が同意するかで変わるで扱いました。
申し込む前に書面で残すこと
条件書に「学校側の規定による」とだけ書かれていると、その規定がどこにあるのか自体が分かりません。確かめる場所は3つです。
- 「研修プログラム取消料」のように学校側が決める費用の額が、契約前に開示されるか
- 学校からの返金をエージェントが立て替えるか、それとも入金を待ってから渡すか
- 未成年の場合、強制帰国になったときの交通費・諸経費の負担が保護者側にあるか
ウインテック留学センターは「立て替え返金は一切行いません」と明記しています。こういう会社では、学校側の返金が遅れれば、手元に戻るのも同じだけ遅れます。見積書の段階でこの3点を聞いておけば、途中でやめる事態になったときに「思っていたのと違う」と気づく回数を減らせます。
契約でもめたときの相談先は、消費者ホットライン 188 です。最寄りの消費生活センターにつながります。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 6件
- 出典
- 5件(法令 1)
- 更新
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