留学費用の為替レートは会社ごとに基準が違う
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留学費用の見積もりでは、外貨の授業料だけでなく円に換算するレートも確認してください。基準日・上乗せ・返金時のレートを分けて見る必要があります。見積もりの日と請求日や返金日の換算額は、同じとは限りません。
授業料・滞在費の通貨と金額
参照する銀行・レート・基準日
上乗せや送金手数料の有無
現地から戻る額と、円へ戻すレート
6社の公開条件を比較すると、銀行とレートの種類まで示す会社も、自社のレートとだけ示す会社もあります。申し込む前に、次の3点を条件書や問い合わせで確かめます。
- 申込日・請求書発行日・支払日のどの時点のレートを使うか
- 為替が動いたとき、上乗せや追加請求はあるか。いつ知らされるか
- 返金が発生したとき、いつのどのレートで円に戻すか
換算レートは、会社が自分で決めている
留学のあっせんに、換算レートの決め方を定めた法律はありません。留学エージェントは誰と契約するかで見たとおり、あっせんは旅行業法上の「旅行業」にも、特定商取引法の別表第四にも必ずしも当たりません。為替レートの基準は、条件書に書かれていればそれが全部です。書かれていなければ、申し込む前には分からないことになります。
銀行が公表しているレートには、円を外貨に換えるTTS(対顧客電信売相場)と、外貨を円に戻すTTB(対顧客電信買相場)があります。支払いにはTTSが、返金にはTTBが対応することが多く、2つの間には銀行の手数料ぶんの差があります。この差自体は銀行間で大きくは変わりませんが、どの銀行のレートを、いつの時点で参照するかは会社ごとに決められています。
6社を開いて、為替レートの決め方を数えた
出発前のキャンセルと同じ6社について、支払いや返金にどの為替レートを使うと書いているかを条件書と特定商取引法に基づく表記から数えました。
| 事業者 | 為替レートの基準 |
|---|---|
| ウィッシュインターナショナル | 三菱UFJ銀行TTSレート+4%(支払い)、同行TTBレート(返金)と明記 |
| ウインテック留学センター | 「当社の社内レート」とだけ書かれている |
| ラララアメリカ | みずほ銀行TTSレート。上乗せの可能性と事前告知も明記 |
| スクールウィズ | 「当社所定レート」とだけ書かれている |
| ネイティブキャンプ留学 | 記載が見当たらない(費用は円建て表示) |
| ISS留学ライフ | 安心宣言のページには記載が見当たらない |
ウィッシュインターナショナルの「海外語学留学条件書」第14条5項は、こうです。
当社の換算レートは毎月1日、11日、21日(銀行休業日の場合は、翌銀行営業日)の三菱UFJ銀行TTSレートに4%を乗じたレートとなります。
支払いのレートに続けて、契約内容の変更・任意解除の料金表の注記には返金のレートも別に定められています。
現地からの返金が当社に到着後、返金手続きを行う時点の三菱UFJ銀行の為替換算レート(TTBレート)を適用します。
TTSは銀行が円を外貨に換えるときのレート、TTBは外貨を円に戻すときのレートで、向きが違います。支払いと返金で、基準時点も種類も分けて書いていたのはこの1社でした。
ラララアメリカの利用規約は、銀行名までは示しつつ、変動にも触れています。
当社はみずほ銀行を利用しているため、円建て請求書の為替レートはみずほ銀行のTTSレートを適用するものとする。
続けて、こうも書かれています。
特例として、世界情勢の影響により銀行レートに上乗せする可能性がある。この場合、円建て請求書発行前に申込者へ事前に告知を行うものとする。
一方、ウインテック留学センターの「海外留学のお申込条件」は、こうです。
外国貨幣の為替レートは当社の社内レートを適用いたします。
銀行名は出てきません。スクールウィズの特定商取引法に基づく表記も同じ形で、「当社所定レート」とだけ書かれていました。
6社中2社(ウィッシュ・ラララアメリカ)は、参照する銀行名とレートの種類を示していました。残る2社(ウインテック・スクールウィズ)は「社内レート」「所定レート」とだけ書き、参照先は開示されていません。ネイティブキャンプ留学とISS留学ライフのページには、為替レートの記載が見当たりませんでした。
「社内レート」と書くこと自体は違反ではありません。為替の基準を銀行の公表値に固定すると、銀行側の都合でレートが動いたときに柔軟に対応できないという事情もあります。ただし読者の側からすると、「社内レート」と「銀行のTTSレートに4%を乗じたレート」とでは、あとが違います。参照先が具体的であるほど、見積もりと実際の請求額を自分で照らし合わせられます。
銀行名が無いと、見積もりと請求の差を自分では検算できない
参照する銀行名とレートの種類が分かれば、支払日のレートを銀行の公表値と照らして見積もりとの差を確かめられます。「社内レート」としか書かれていない場合、その差が為替の変動によるものか、上乗せ分によるものかを、読者の側では区別できません。
支払いの時期や方法そのものは留学の費用は誰に払うかで分けるにまとめました。途中でやめたときに戻る金額も、同じ換算レートの影響を受けます。そちらは留学を途中でやめると学費はどうなるかで見たとおり、学校側からの返金がいつの時点のレートで円に戻るかにもつながります。
回答を、見積もりの条件と照らす
2つ目は、条件書に答えが書かれていることもあります。ウインテック留学センターの「海外留学のお申込条件」の7(プログラム費用のお支払い)がその例です。日本円で預かったあとに為替が動いても、変動が著しい場合を除いて差額を清算しないとしています。変動が著しく、プログラムを続けられないと会社が判断した場合は、差額分の支払いを求めることがあるとも書いています。
ラララアメリカは「上乗せの可能性」と「事前告知」の両方を条件書に書いています。こういう会社なら、聞いた答えがあとで契約書の文言と一致するかを確かめられます。「社内レート」としか書かれていない会社では、冒頭の3点を聞きます。できればメールなど記録に残る形でも、回答をもらっておきます。為替レートの決め方は法律が決めていないので、聞かなければ分からないままです。見積もりの金額だけを比べて決めると、支払いの段になって初めて上乗せ分に気づくことになりかねません。聞くのは契約する前が最善です。
この記事で確かめたこと
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